楽~ラント記事掲載(日刊工業新聞)
本日(6/21)発刊の日刊工業新聞に当社の記事が掲載されました。
「生産性向上と環境配慮両立」
各種産業機械の部品加工やユニットの製造を手がける岩本工業(石川県白山市)は、独自開発の切削液自動供給装置を活用する事で、生産性向上と環境を配慮した機械加工を両立させた。クーラント生成や運搬の無駄を減らし、加工コスト削減や工場内の衛生環境改善につながった。
岩本工業は工作機械用円テーブルやアタッチメント、工具交換装置、建設機械の旋回部ユニット、産業用ロボットなどの部品加工とユニットの製造を手掛ける。加工時に使用するクーラントは水溶性で、原液を水道水で希釈し、生成した液をペール缶に入れ、作業者が工作機械まで台車で運搬し、投入する。この一連の作業を自動化するため、クーラントサーバー「楽~ラント」を開発、導入した。
岩本工業は工作機械用円テーブルやアタッチメント、工具交換装置、建設機械の旋回部ユニット、産業用ロボットなどの部品加工とユニットの製造を手掛ける。加工時に使用するクーラントは水溶性で、原液を水道水で希釈し、生成した液をペール缶に入れ、作業者が工作機械まで台車で運搬し、投入する。この一連の作業を自動化するため、クーラントサーバー「楽~ラント」を開発、導入した。
開発のきっかけは2015年、生産性向上を目的に経営コンサルタントから短期間の指導を受けた時の指摘だ。ペール缶に水道水を入れてから原液を加えて希釈し、濃度確認、運搬する一連の作業を「自動化できないか」と提案を受けた。
実際、クーラントに関連する作業時間を試算すると、工作機械1台につき1日10分、工場には12台の工作機械があり、合算すると年間で約504時間にも上る。さらに、ペール缶に入ったクーラントを台車で運搬中にこぼしたり、タンクの液を総入れ替えする際に水道水ホースをタンクに差して注水するが、担当者が別作業に従事するなどであふれさせていたこともあった。
「原液と水道水を無駄にしている事と、クーラントをこぼし工場内を汚してしまっていることなど、二次的、三次的な無駄につながっていることに気が付いた。そこで、関連作業を自動化する装置の導入を検討。既製品は同社想定より高価だったので、内製化を決めた。
開発した楽~ラントは水道水とクーラント原液を配管で接続し、AC100Vで稼働する装置。起動させると本体に接続された水道水と原液をあらかじめ設定した値に希釈してクーラントを生成する。装置内のレベルセンサーにより、既定の量で生成が停止する。
工作機械へのクーラント供給も楽~ラントを活用。工場内にはりめぐらした塩化ビニルパイプを通じ生成したクーラントを複数台の工作機械へ自動供給している。「クーラントが入ったペール缶を工作機械まで運び、ペール缶を持ち上げ、投入するのも重筋作業で、作業者の腰に負担がかかる。投入する際も液の跳ね返りやこぼれで機械周辺の床が汚れる。これらが無くなった」
同社の倉部工場では楽~ラントを工作機械に接続する費用は塩化ビニルパイプの購入費の約30万円程度。配管工事も自社で賄えた。一方で、作業時間の削減を金額に換算すると200万円程度。生産性や作業者の身体的負荷の軽減、作業環境の改善を達成できたことも踏まえると、想定通りの効果を得られたと同社は評価している。
社内での効果をもとに、装置を外販する事業も開始。工作機械を複数台保有する部品加工業への導入が進んでいる。
「ある部品加工の現場では、「クーラントの濃度が均一になり、寸法形状の維持と工具摩耗の減少など、加工品質の向上とコスト削減につながった」と評価を頂いた」と説明する。ユーザーの加工品質の向上と加工コストの削減効果を訴求することで、楽~ラントの導入実績と評価を増やし、メーンのサプライヤー事業との両輪で収益力も強化する。
生産性向上に対する、小さな取り組みが環境負荷の低減に結びついた岩本工業のモノづくり。無理なく、生産性向上と環境負荷を削減できる理想の部品加工現場の姿を示している。
楽~ラントサイトはこちら ☞ https://iwmt-kg.jp/