テレビ金沢「となりのテレ金ちゃん」にて取材
テレビ金沢「となりのテレ金ちゃん」内【未来を創るマエストロ】にて
第四係の稲垣さんを特集して頂きました。
取材内容をご紹介いたします。
~機械加工の女性技能士~
規則的に開けられた小さな穴。複雑な形に削られた部品。どれも、ミクロの精度で加工されたものです。
その緻密な作業はすべてコンピューターで設計されています。
部品を作っているのは白山市に本社を構える重機の部品製造会社「岩本工業」
そこで働くのが機械加工技能士の稲垣さんです。27才の若き技術者です。
「自分のやった仕事がそのまま品物になって表れるのでそういうところが
やりがいに繋がるのかなって思います。」
技能士の稲垣さんが操作するのはNC旋盤と呼ばれる工作機械です。
この日はパワーショベルに使われる部品を作っていました。機械のドリルやカッターを自由自在に動かし、部品を削っていきます。
この動き方を設計したのは稲垣さん。プログラミングという緻密な作業です。
完成した部品を測ってもらうと
-ぴったりでしたか?-
「狙い通りにはなっているかなと」
稲垣さんは半年ほど前から複合旋盤と呼ばれる工作機械を扱っています。
加工の準備に取り掛かった稲垣さん。何やら忙しく手を動かしていますが何をしているのでしょうか?
「ドリルがたくさんついているんですけど、それの長さを機械に教え込ませる作業をしています。」
工具の位置を決める作業です。わずかなずれでも、製品の品質に影響します。
しかも扱うのは複雑な加工ができる旋盤で、使う工具は通常のおよそ2倍。時間をかけて調整しなければなりません。1/1000ミリの誤差も許されないことから、上司も度々指導に来ます。
「右がまだ未定やからどんな工具になるか分からない。これはあの工具使ってやったらそのまま入る」
50人いる製造部門で4人しか操作出来ない難しい機械。その指導をするのは係長の川端さんです。
機械加工技能士の最難関、特級の資格を持っています。
「自分のやり方とかやりたい事はすぐ言ってきて「これどうですか?」って感じで。そういう面では新しい考えを持ち込んでくれるところはありますね。意欲を感じるというか。そういう所が今後も伸びる要素でもあるのかなと思っています。」
上司からも期待される稲垣さんですが、入社当初から製造部門にいた訳ではありません。
稲垣さんは金沢商業高校を卒業後して岩本工業に入社。4年前まで部品を検査する品質保証の部署にいました。
検査部門では機械検査の2級技能士の資格を取得しましたが、働くうちにある思いが芽生えたといいます。
「これを実際に機械で作る事がどれぐらい難しいのかなと。自分のやったものがそのまま形になる仕事がすごく素敵だなって、ちょっと憧れじゃないですけど。」
部品製造への挑戦を決め、今では製造の第一線で活躍します。そんな稲垣さんにとってお昼休みがホッとできる時間です。
-いつもお弁当は自分で作っているんですか?-
「母が(弁当を)作ってくれてます。仕事で忙しい中でも、休息じゃないですけど心休まる時間、落ち着く時間です。」
もっと理解を深めて新しいことに挑戦したい。その思いから去年10月に機械加工の2級技能士としての資格も取得しました。社内で20代の女性が2つの資格を習得するのは、これまであまり例がなかったといいます。
今年で入社10年目。今後の目標はというと、
「自分の作った物がそのまま0から作って形になるので、「私が作ったもの」って前以上に思い入れがあるというか、それがすごく嬉しいです。会社に私じゃないと、私がいないとダメと思わせるくらいの人材になりたいなって。」
さらに技術を磨き、勇逸無二の人材へ。
稲垣さんはこれからも新たな技を身に着けながら活躍の場を広げていきます。