記事掲載(2023/7/31日刊工業新聞)
7/31発刊の日刊工業新聞に当社の記事が掲載されました。
改善ヒントに製品化、切削液自動供給装置が好調
岩本工業は1949年に金沢市で創業し、その後、石川県白山市に本社工場を移した。主に工作機械、建設機械や産業機械などのユニット製造や部品加工を取り扱う。2017年には自社内の改善活動で生まれた装置を製品化。専門部署を立ち上げ新たな収入源として実績を積み重ねている。さらに23年5月には旧倉部工場(白山市)に本社を移転し、工場も統合。効率化した新しい生産体制で収益力の向上に努めている。
岩本工業初となる自社製品の切削液自動供給装置「クーラントサーバー楽~ラント」は、一連のクーラント作業を自動化し、切削液の計量、希釈、濃度管理から工作機械への運搬、供給までを自動でする。さらに濃度変更の調整や起動・停止のタイマーを設定出来る。
「製造現場の自動化としては一見地味だが比較的取り組みやすい」(渡邊商品企画部営業課長)。その手軽さを武器に展示会への積極的な出展などを進め、17年の発売以来、着実に販売実績を伸ばしてきた。自動車・建設機械メーカーへの採用も決まった。充実した機能や現場の人手不足も重なり、導入した企業の3割強がリピートで購入する。23年度の販売に向けては「生産に必要な部品など、強めに発注していく」(同)考えで、部品不足の中でも納品の安定化を図る。
さらに、生産性向上や生産量の増加を狙って実施したのが、21年末から始め、5月に完了させた本社機能移転だ。旧本社工場を急倉部工場に移転・統合して新本社工場とした。新本社工場には新たに倉庫スペースを設けて、さらなる受注獲得に意欲を見せる。
以前は両工場間に5キロメートルの距離があり、1日に何往復もする従業員がいた。また、測定機器が旧倉部工場にしかなかったり、製品の工場間の移動を社外に依頼して生産性が決して良くなかった。
統合にはこれらの課題解消とともに、従業員同士の一体感を高める効果も見込む。岩本子博之会長は「皆が一堂に会して勤務することによるチームワークの向上で、今まで以上に働きがいのある職場へと成長すれば」と期待を込める。
日刊工業新聞→次代を担う中部企業(7)岩本工業 改善ヒントに製品化 | 日刊工業新聞 電子版 (nikkan.co.jp)