朝ドラ 『らんまん』 のキーワード雑草という草はない」に基づいた「どの草花にも必ずそこで生きる理由がある。この世に咲く意味がある」という万太郎の信念は、人間に置き換えて考えることが出来ます。日本の植物を徹底的に調べ、記録するという偉業を行う事と同時に、万太郎は出会う人の個性に寄り添い、その人たちが、せちがらい世の中、尊厳を失いそうになっているところに「雑草という草はない」という精神を説き出会う人々に希望を持たせたのではないでしょうか。『らんまん』は心が豊かになるドラマだと思います。これまで以上に、自分や他人を客観的に見る余裕をもったドラマが誕生した訳は、コロナ禍も少し収まって行動制限もなくなった今、この世の中の調和が戻ってきた証しであり、或いはこのような調和への願いが籠ったドラマだと。日本は『調和』を求め過ぎ、奥ゆかしさが得てして『個性』を埋没させてしまいがちだと思われます。 明治から昭和初期にかけては文明開化を叫びながらも、まだまだ『因習』に捕らわれている社会の中で際立った個性ながらも 『平等』 をベースにした情熱・行動力が周りの人々から厚い支援を受けられたのだと思います。
いま、「国産小麦」が脚光を浴びています。かつては輸入小麦より高い割に品質は劣る、とされたこともありますが、それはすっかり過去の話。もはや「国産小麦使用」というだけでは消費者の関心を引けなくなり、いつの間にか各地の特徴ある品種を売りにした商品開発がなされる時代に突入しています。背景には、もち小麦、超強力小麦、低アミロース小麦等、輸入小麦とは異なる性質を有する個性的な品種の開発です。実際、1973年に3.7%にまで低下していた小麦の自給率は、その後穏やかに回復し、2021年は17.0%となっています。小麦栽培に適した環境とはいえない日本において、地道に品種改良を続けてきた成果が実を結び始めているのです。その一例として、日本が世界に先駆けて開発に成功した「もち小麦」の現状を探ると、意外な経緯が浮かび上がりました。小麦は多種多様な食品に加工されますが、日本における最大の用途はパンで全体の約40%、次いで麺用の約35%。日本における小麦の一大産地は、生産量62%を占める北海道、次いで8%の福岡県、東北6県の中では、岩手県が約6割を占め、これはもともと冷害を起こしやすく、米の生産に向かない土地柄であったことによる。1995年、この岩手県で画期的な小麦が開発された。世界初のもち性小麦「はつもち」という品種。デンプンがうるち性からもち性に変化することを、「もち性」という。米にはうるち米ともち米とがあり、古くから餅やおこわに利用されてきたが、小麦の場合はもち性の品種などは存在しなかった。もち小麦は、小麦製品に新たな魅力をつけ加える可能性のある大発明であり「もち麦」は用途が限られる大麦であって小麦ではない。しかし、もち小麦をブレンドすると「食感が改善される」「もちもち感がでる」「日持ちが良くなる」等の特徴が確認された。地産地消を主旨とする岩手県の白石食品工業向けの「もち姫」を生産している畠山芳男さんは、白石さんが岩手県内での「もち姫」栽培を復活させようとした際に、最初に手を挙げた一人でイネとリンゴの他に、1997年から小麦も作り始めたが古い『ナンブコムギ』は病気に弱く、どんなに工夫しても収量が上がらない品種から2016年に『もち姫』に切り替えたら、一気に量が獲れるようになり何より、栽培する前から価格と買い手が決まっていて、『ナンブコムギ』を作っていた時と違い10アールあたりの収量の変化は、「ナンブコムギ」の約150㎏に対して、「もち姫」は約400㎏。さらに『もち姫』を作るようになって収入が増え、専業農家としてこれまで地道に40数年かけた研究で営農の実りを今まさに収穫しているのです。山林漁業・農業や畜産・製造業は不滅です。何よりその業界に携わる方々は自然に寄り添い穏やかな日々生活を送っているのですから。
一年前の社内報にも表現して有りますが、今一度(・・何度でも??)、日本経済「失われた30年」「停滞」などなど自虐性に陥らず、安全安心では世界一!!なのですから。